HATARAKU GYOZA BLOG
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キャリア考察

システムコンサルは最強の職種である(と、現時点では思っている)①

2025年6月10日

※この記事は、システムやコンサルに携わる方々への勇気づけやモチベーションになったらいいなと思って書いたものであります。前提として、職業に優劣や貴賤はないと思っているので、他の職業を貶めたりする意図はありません。

私は、いわゆるシステムエンジニアとして勤め続けて15年くらいになります。…と、一応は言えますが、実際のとこ15年の中で「システムエンジニア」と呼べる期間はどんだけあったのかという疑問もあります。かっこよく言えば、「ディレクター」「テスター」「フロントエンドエンジニア」「アーキテクト」「データサイエンティスト」みたいな職種を転々としてきたとも言えるし、かっこ悪く言えば、その場その場で必要とされる仕事を「雑用」的に引き受けながら、場当たり的にやってきました、とも言えます。「オールラウンダー」「フルスタック」「雑食性」といえば聞こえはいい気もしますが、改めて振り返ると、「専門性がないヤツだな」「そういうの器用貧乏っていうんだよ」みたいな言われ方をしても全く反論の余地がない、そんなキャリアだったなと思います。

一方で、この「雑食性」こそがもはや実質「専門性」なのかもなという自信もあったりします。(開き直りともいう気がする)最近になって、その「雑食性」に、「システムコンサル」というラベルを付けて再認識することで、「漠然とした自信」が「ちょっとした自信」に進化した、と言う話をさせてください。

私のやってきた仕事の雑食ぶり

具体的にどんな仕事をしてきたのかというとこんな感じです。

ヒアリング ~ 課題特定

クライアントに悩みを聞き、聞いたことを起点に、クライアントの状況を整理し、情報を集め、分析し、課題を特定する。

解決策の提案 ~ 実現するシステムの設計

課題解決のための方針を提案し、それを実現するための「(狭義の)システム」を設計する。

実践(制作)~ リリース

設計した「(狭義の)システム」を構築し、動作を確認して、課題を解決できそうな品質であることを確かめ、リリースして、意図通りに動いていることを確かめる。

稼働確認 ~ 運用+継続改善

システムが実際に使われている状況を確認、分析し、最初に提起した課題の解決につながっていることを確かめる。課題が解決できていなければ、原因を特定し継続改善を行う。

実践管理、進行管理

↑のようなことが社内外のチームで効率的に実践されるよう、全体状況の把握、共有、コントロールを行う。

改めて見ると、いかにも「WEBの何でも屋」って感じで、分野を限らずに広範なことをやってる感じです。要求に応じていろんな事やってるだけでキャリアが過ぎていって、おかげで最新技術もなかなか取り入れられないので専門家には敵わないし、「あなた何ができるの?」って聞かれてもはっきり答えられない感じの、ダイの大冒険風に言えば、「なんでもできる反面、なんにもできない人種」になってたわけです。

「システムコンサル」とは何か

でもなんとか、それでも一つの軸を見出すことはできました。それは、どの仕事も「システム」あるいは「人」に、とことん向き合う仕事だということです。(二つだな)

「システム」の広義と狭義

ここでいう「システム」とは、大きく2つの意味で言っています。

  • 狭義の「システム」:プログラムや機械で動くアプリケーションやツール
  • 広義の「システム」:複数の人や情報がある目的に向かって動く一連のしくみ

なので、チームで働くような仕事はそれ自体がある意味「システム」だし、「ビジネス」も「システム」そのものだと言えます。

そう考えると、例えば「ヒアリング ~ 課題特定」なんかは目のまえの「人」に向き合いつつも、その人が置かれた状況を「広義のシステム」で捉えるような仕事と言えるかなと。

「解決策の提案~システムの設計」なんかは、クライアント個人に寄り添いつつ、全体の構造を「広義のシステム」として捉えて、「狭義のシステム」としての実装を考えるような仕事といえるかなとか。

「人に向き合う仕事」=コンサルティング

そして、個人的には「人に向き合う仕事=コンサルティング」だと思っています。

コンサルティングの定義はもう世の中に溢れすぎているし、主義主張も含めていろいろあるので、どこかの定義を引用することは敢えてしませんが、私は「コンサルティング」とは「人の悩みを聞き、解決する仕事」だと思っています。得意とする領域によって「〇〇コンサル」と言われたり、手持ちの問題解決の手法によって「△△コンサル」と言われたりするのが普通ですが、その根本であり本質として共通しているのは 「人の悩みを聞き出して解決する」 ことであると思います。その考え方に基づくと、私の仕事は 「人に向き合う仕事=コンサルティング」と、「システムに向き合う仕事」から成るので、私は「システムコンサル」であると言えるなーと思ったわけです。

「システム×コンサル」がなぜ最強なのか

私は、「スキル」という概念がなんとなく好きです。個人的に「仕事」とは、「自分のスキルを高める手段」だと思ってるところがあります。まあ好みは置いておいても、実際のところ、社会で生きていく以上、何らかのスキルで誰かに貢献しないことには、対価を得て生活することができません。 だからここでも考えるのは、「システムコンサル」という仕事は、いったい自分にどういうスキルを与えてくれるのか」ということです。

一旦、以下のように整理してます。

  • 「システム」スキル:「しくみ」を理解するスキル
    • (狭義)プログラムや機械の「しくみ」を理解し、再設計したり再構築したりするスキル
    • (広義)複数の人や情報が関係しあう構造の「しくみ」を理解し、課題を見つけて改善するスキル
  • 「コンサル」スキル:「人」を理解するスキル
    • 「人」を理解し、共感し、「人」と向き合って悩みを聞き出すスキル
    • 「情報」を収集・整理・分析し、課題を特定したり解決策を導くスキル

するとどうやらこの2つのスキル、「すごく相性がいいんじゃないの」ってことが見えてくるんですよね。「システム」と「コンサル」は互いに高めあうスキル、という意味で最強です。

「システム」と「コンサル」の相乗効果

  • ユーザーの心がわからないとシステム設計はできない:「人」を理解するコンサルスキルがあってこそ、「狭義のシステム」の設計力は最大限に引き出されます。
  • ビジネスの課題は得てして「システムの課題」である:「(広義の)システム」の全体を捉える力があれば、ビジネスの課題特定もできます。
  • 「狭義のシステム」と向き合う仕事は、コンサルに不可欠な「論理的思考力」を育む:プログラムは究極的に論理的なもの。これに触れ続けることで、「情報を漏れなく分類し、矛盾なく出力する」思考回路が作られます。
  • 「広義のシステム」を捉える力は、「狭義のシステム」と向き合うことでこそ育まれる:情報の流れを業務の流れに置き換えれば、ビジネスそのものを考えることにつながります。

掘れば掘るほど「システム」と「コンサル」は最強の組み合わせだなと思ってるわけです。他にもいろんな観点で、「補完関係」「相互に高めあう関係」にあるなーと思いました。いやーもっと精進したいなあと…。

  • システムスキルは「複数人の関係」を捉える力、コンサルスキルは「個人」を理解する力
  • システムスキルは「論理的」に考える力、コンサルスキルは「感情」を捉える力
  • システムスキルは「全体の構造」を捉える力、コンサルスキルは「個々の事情」を捉える力
  • システムスキルは「合理」を考える力、コンサルスキルは「共感」を考える力

「システム×コンサル」は有用すぎる、という意味で最強

「人と向き合う仕事」の価値はなくならない

AIによる仕事の代替が叫ばれて長いですが、最後まで代替されない仕事の筆頭は決まってます。「人と向き合う仕事」です。例えば「医師」などは、その診断や手術の正確性においては、AIに代替される可能性はあるでしょう。でも、その診断を患者に伝える最後の一歩は、人間でなければならないはずです。(というか、人間であって欲しいと思いませんか?)

人間が提供できる最後の価値は、「あの人が言ったなら(間違っててもいいから)信じてみよう」と思える、「信頼」です。世の中には「100%間違いない判断」なんてのは意外と存在しなくて、それはAIが極限まで最適化されようが変わらない。それでも人がその「判断」を信じて動くとすれば、それは「あの人が言ったなら」という一押しです。その「信頼」を提供できることが、人に最後まで残る価値だと思う。そしてその「信頼」を積み重ねるために人と向き合い続けることこそが、コンサルの業務であり価値そのものです。「人を理解する仕事」「人と向き合う仕事」という意味でのコンサルの仕事は決してなくなりません。(コンサルとは呼ばれなくなるかもしれませんが)

まあひょっとすると、あるいはそれすら代替される未来もあるのかもしれませんが、その時は人間の仕事はほとんど無くなっているでしょう。その場合は、仕事ではなくプライベート、個々人の生活や人間関係が重視される世界になっているということです。人間関係を考えたり構築するのにも、コンサルスキルが有用なのは先述の通りです。

社会を良くする可能性をも秘めている

別の記事で書いた、「責任ではなく、原因を追究する」「人ではなく、仕組みを問い詰める」このような思考は、まさに「システムコンサル」のシステムスキル的な部分だと思っています。つまり、ある事故があったとして、一見誰かの行為に原因があったとしても、その人の責任として短絡的に捉えるのではなく、「こうなったのは、誰のどういう行為がどういう流れで行われた結果なのか」「誰がやってもこの問題を回避できるようにするにはどこを改めたらいいか」という思考になります。「安易に人のせいにしない」と言い換えてもいいかもしれません。

話は変わりますが、私が大好きな藤子・F・不二雄先生の短編で、『イヤなイヤなイヤな奴』という話があります。最後の最後に、以下のような記述が出てくるんですが(短編なのでネタバレも勘弁してください)

<にくまれ屋> 人間は、共通の敵の前で、もっとも強く結束する。この習性に目を付けた、宇宙時代のビジネス。

感覚的には超納得できますよね。歴史的にも、敢えて敵を作ることで結束を高めたりするような手法はいろんな場面で登場しますし、正直、超小さい範囲では自分もついついやっちゃいがちです。ただ、現代ではSNSの普及もあって、いろんな人が「敵を作る」あるいは「何かを叩く」ことで何かを得ようとしすぎているように見えます。少し主語を大きくすると、最近の社会は「敵を作ることを正当化しすぎている」んじゃないかと懸念してます。個人的には、それが今の社会の「なんとなく窮屈な雰囲気」を生んでるのではないかと。

そこで「システムコンサル」です。…とまで特効薬的に強調するつもりはないですが、「安易に人のせいにしない」というシステム感覚と、同時に「人の気持ちに寄りそう」というコンサル的感覚を両立させることは、この「敵を作らなきゃやっていけない」かのような社会を、ちょっとよくする可能性を秘めてるような気もするんです。「敵を作ることが悪いことだ」と単純に断ずるのではなく、「なぜその人は敵を作りたくなるのか」という気持ちと、背景を理解した上で、「どこが悪いのか」という課題を突き止め、他の解決策を探るみたいな。まあ当然ながら超難しいし、答えがあるもんでもないですが、みんながこういう思考を持てたら、その時点でずいぶん解決してるんじゃないかという気もします。

「システムコンサル」の誇りと「器用貧乏」であることの覚悟

まあちょっと話を大きくしすぎた感があるので、私個人の話に戻すと、「器用貧乏」ではありつつも、そこに「システムコンサル」という軸を据えることによってなんとなく自信が持てるようになった、という話でした。とはいえ実は、そう考える前でも、それなりに「器用貧乏」であることへの肯定感というか、覚悟のようなものは持っていました。そう考えるに至った2つの逸話を紹介しておきます。

未来を先回りして点と点をつなげることはできません。過去を振り返って点と点をつなぐことしかできないのです。だから将来何らかの形で点がつながると信じなければなりません。
- スティーブ・ジョブズ
父「何ができないなんてのは大したことねえぞ、何ができるのかなんだ」
ぼ「一生何もできなくて、別なことばっかりやってたらどうなるのかなあ」
父「別なことばっかりやってる一生?それも悪くねえだろ」
- 「ぼのぼの」11巻

「やりたいこと」がはっきりしている人は、その専門性を磨ける仕事だけに取り組んで、どんどん刃を研いでいくべきだと思います。ただ逆に、そうでない人は、覚悟を決めて「器用貧乏」をやるべきだと思うんです。つまり、何であろうと目の前の仕事・勉強に真摯に取り組むこと。後できっとこの経験が活きるはずと信じて…とジョブズは言いますが、信じるのも不安だなと思った時は、アライグマお父さんの「別にそれも悪くないだろ」という言葉を思い出せばいいんです。(もちろんその中で、自分が目指したいことややりたいことが決まれば最上だと思います)

逆に一番良くないのは、「本当はもっと専門性を身に着けたいんだ」みたいな気持ちがありつつも、それが具体的になってないがために、専門家に振り切ることもできず、目の前の仕事に対しても「(なんとなく)これは、自分がやる仕事じゃない気がする」とかって真剣に取り組まない、みたいな状況かなあと。不満を持ちつつも中途半端なスキルに終わってしまう、という気がします。(もちろん、それはそれで悪くないのだと思いますが)

結論、未来はわかんない

上述の通り、私は今まさに、「過去を振り返って、点と点をつなげる」作業をしてるわけですが、逆に言うと、それをしてるだけとも言えます。「システム×コンサルが最強のスキルである」という主張も、もちろん本心ではありますが、見方を変えれば私自身のスキルをただ整理してみた結果に過ぎないわけです。とはいえそれなりにいい整理ができたと思ってるので、今後の仕事やスキルはこの「システムコンサル」の上に積み上げていこうとは思ってますが、ただ、スタンスとしては変わらず「器用貧乏」として「目の前の仕事・勉強に真摯に取り組む」ことを続けようと思ってます。その結果、ひょっとすると数年後には別のラベルを付けて「〇〇は最強のスキルだ」とか言ってるかもしれませんが、それはまだわかりません。「未来を先回りして点と点をつなげることはできない」わけなので…。

結論、システムやコンサルに携わっている人は、それがどんな作業であっても、こういう風にとらえてみれば絶対将来役に立つ、と自信を持ってほしいですし、それ以外の仕事や経験においても、結局どう役立つかはわからないのだから、どうせなら覚悟決めてやった方がいいと思ってます、あとから振り返ったらいい紐づけができるはずだよ、という主張でした!

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